今回はBlu-ray版につく、「フィルムブックマーク」のこと。
(BDとDVDの仕様については、前回のエントリー・その1を参照してくださいね)
時かけでは、フィルムカットは角川映画のオフィスで手弁当でやっていた。
(時かけBD、まさに今つくってます!(その3)を参照のこと)
今回はいろいろ事情があって、業者さんにフィルムカットを依頼してます。
というかBDの映像素材作るのが大変で、自分たちでカットしてる時間がなくなったのだ…
で、例え業者さんに任せたとしても、そりゃ当然見に行きますよ!、
ついでに切ってきました!
以下、画像沢山なので注意です。
辿りついたのは土浦。ここは茨城県なのです!
こういうの、最近は値段の関係で中国に出すのもありなんですが、今回は品質管理がしやすい国内でやっていただきました。
土浦駅から車で工場に向かいます。BDの制作担当者2名も同行。
そして工場に到着。
倉庫の中を通っていくと…
おお!、なんか工場っぽいっすよ。
この建物の中で、サマーウォーズとは関係のない作業もいくつか進行しています。
そして、この一角がサマーウォーズのフィルムカット担当チーム。
帽子と手袋とエプロンをつけてます。ほとんどが女の人です。
「お邪魔しまーす」と挨拶して、作業を見せてもらいました。
こんな風に、フィルムを1巻ずつ引き出して、まず数m単位(カットとかシーンごと)で断片にしていきます。
で、それを↓の画面奥の人たちが片っ端から5コマずつ切って箱に入れていく。
こちらが、カット済みのフィルム箱。
↓こっちは使用せず廃棄する分です。けっこういっぱいあります。
今回のフィルムカットは、おおまかな方針として、
・キャラやアバターが判別できるシーンを中心にセレクト
・当然、暗すぎたりするカットは除外
・PC画面とか、背景のみのカットも極力はずす
こんな感じでカットしてます。海外に出すとこういう細かい指示は難しいのだ。
あと、↑のはあくまで大まかな方針だから、100%保証するものではないよ!
(こう書かないとメーカーさんから怒られちゃうのだ…)
で、ここら辺で中の人も作業を開始。
工場の人には判断がつかない、「保留」と書いた箱に入っているフィルムの断片を、片っ端から仕分けしていきます。
↑、こんな風に数mのフィルムの断片が、たくさん箱に入っているんですね。
例えばこのカット、
これなんかはOZのモニター表示だけだから、不採用箱行きです。
じゃ、これは?
これはもち採用でしょ!
作業してる人のほとんどはキャラ表をもとに判別しているんですが、そもそもフィルムを肉眼で見て判別するのって、本編を1度見たくらいでは難しいもの。
特に↑のフィルムなどは、暗いシーンだし、佳主馬も横顔だけだから「保留」にされてたわけ。
こういう仕分け作業を片っ端からやっていき、いくつか気付いた点も作業中のみなさんに伝えます。
「ランニングの子は暗い部屋にいるけど採用にしてくださーい」とか
「白ウサギの人は、多少小さく写っていても採用にしてくださーい」っていうような事を実際に言ってましたw
で、フィルムが箱にある程度溜まってくると…
今度はビニールの袋に詰めていく作業が開始。
中の人も、仕分けしたりカットしたりいろいろ作業してました。
あと、ここからはちょっと豆知識ですが、今回のフィルムブックマークには実は上映用のフィルムと、ラッシュチェックに使ったフィルムの2種類があります。
こちらが現場にあった、ラッシュフィルムが入ったフィルム缶。
IMAGICAのラベルが付いている。
フィルム缶を空けると、R-3って書いてありますね。
こちらがラッシュから切り出したフィルムしおり。というかスゲー良いシーンだしw
↑はフィルムの左右両端が塗りつぶされているでしょ。
一方こちらは上映用フィルム。フィルムの左右両端は透明になってます。これで区別できます。
フィルム左側の水色の帯は、光学サウンドトラックです。
この2種類のフィルム、たぶん1割強がラッシュフィルム、残りが上映用フィルムです。
あと、ラッシュフィルムは1セットしかないので、同じコマは1つしかないはず。
以上余談でした。
この日はひとしきりフィルム作業を終え、夕方に退散。
けっこう疲れました…
作業現場のみなさん、どうもお世話になりました。ありがとうございます!